2011年11月12日

旅と想い人

プラトニックな恋人になった
私とあの人は
小さな旅に出た


『たまには2人で行け』


母親のそんな言葉から
野暮用だけどどこかへ旅に出るかのような
そんな気分で出かけた

『1人で来たの?
お母さんは?』

『たまには2人で行けって』

『そっか』

そして私は
車の鍵を渡して
助手席へ腰を据える

あの人は
快適だなんて言いながら
私の隣にいた


こんな時
積極的になれたらいいのに
こういうとこだけ
腹が立つほど純粋で…

手に触れる事すら出来ない

隣にいるのに
あの人が遠い

あの人は
私にひたすら話しかける

それを受け答えする

内容はやはり恋愛の話

『結婚って何なんだろうね』

あの人の問いかけに

『相手を思いやる事…?』

『それがなくなったら
離婚だよね
離婚なんて紙切れ一枚なんだよね…』

『婚姻も紙切れ一枚ですよ』


恋人よ

私は結婚なんてしなくたっていい

君が私を忘れないでいてくれたら
それでいい

君の綺麗な笑顔が
私の隣にあるだけでいい

年の差なんか気にしない


あの人は私の携帯のペアストラップに気がついて
無邪気な顔をして喜んでいた

『あ…一緒だー♪』

一緒に持っていたくて
君にあげたのさ


愛しい人よ
君は私をとことん笑顔にしてくれる

一緒にいるだけで落ち着く
一緒にいるだけで面白い
一緒にいるだけで心が洗われる

隣にいてくれるだけで
笑顔になれる

素の自分になれる…

心の関係だけで満足出来る…

子供みたいな可愛い部分と
男らしい凛々しい部分

みんな引っくるめた
そんな君が私は…

心から好き…


『旅と想い人』完


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